わたしの人生を変えるスゴ曲を、きっとあなたは聴いている

取り上げた作品を聴きながら読んで頂くと、きっと臨場感出ます。

ポストロックを締めくくったイノベーターの奇作「BATTLES - "B EP"」

https://www.instagram.com/p/CBTUO2fHyXJ/

  • アーティスト:BATTLES
  • 作品名:B EP
  • 発表時期と作品形式:2004年、EP 

こんにちは、Minimal Orderです。当サイトではトラックメイカーとしての私が衝撃を受けた傑作たちをご紹介しています。本日は第1回! 

◆鳥肌ポイント

  1. メタルのようなパワフルさと、Aphex Twinのような繊細さを両立するドラム
  2. 楽器は1度につき1台という常識を壊すギター&鍵盤同時奏法という訳わからなさ
    (褒め言葉)
  3. 楽器間の小気味良いコールアンドレスポンス
  4. 具体的なフレーズのキャッチーさと、捉えどころのない抽象描写力の両立
    (キャッチーな曲と前衛的な曲が併存)
  5. 同じフレーズを繰り返すエフェクト(ルーパー)により、人数以上の多層的な音像を作り出す(ただし、ライブでたまに事故るのが悩ましいところ。もしかするとPA泣かせ笑)

◆おすすめトラック: SZ 2


Battles "Sz2"

◆個人的なストーリー

Battlesを知ったのは2004年頃、佐々木敦さんによるクロスビートへの寄稿文を読んだことがきっかけだった。当時ハードロックやプログレ、パンク、グランジ熱が一段落していた私にとって佐々木さんの"メロディを微分するようなドラム"みたいな摩訶不思議な表現に非常に興味を惹かれたのを覚えている。

読んでわりと即Amazonで注文し、EP3部作を揃えた。TrasEP CB EPだ。
どの作品も、途方も無いユニークさとキャッチーさを兼ね備えた傑作だった。

"ポスト"ロック。すなわち、ロック"以降"とも呼ばれるジャンルで語られるそのバンドは、ロックのフォーマット(ギター、ベース、ドラム)で成り立ちながらも、ロックでよく使われるようなフレーズは徹底的に排除していた。
またヴィジュアルの面でも、その”異質さ”は際立っていた。簡単に描画ソフトでバンドメンバーの関係図を書いただけの超簡素なウェブサイト。いろんな理由で高い位置に置かれているクラッシュ・シンバル。キーボードの上に置かれるラップトップ(まだ当時珍しかったスタイルなのでは)。

BATTLESを期にポストロック沼にハマるが。彼らを超える衝撃やサウンドフォーマットのイノベーションに出会うことはなかった。ポストロックはもしかしたらBATTLESの全盛期をピークに一旦終焉しているのかもしれない(とすら思っている)。

◆購入

amzn.to
◆試聴