色彩に富んだダンスミュージックの革新的奇術「Jamie xx - "In Colour"」
- アーティスト:Jamie xx
- 作品名:In Colour
- 発表時期と作品形式:2015年、アルバム
こんにちは、Minimal Orderです。当サイトではトラックメイカーとしての私が衝撃を受けた傑作たちをご紹介しています。本日は第4回!
◆鳥肌ポイント
- (エコーやリバーブなどの効いた)WETさと(それらを効かせていない)DRYさが入れ替わるタイミングの良さ。メリハリ。
- 夢見心地な気分にさせてくれる周辺音(根幹のメロディでもリズムでもない周囲の音。アンビエントとも呼ぶことができる)
- 気持ちよくリズムの形が変わる小技(シンコペーション等)を活かしている。特に、トラック1や10では拍の頭を捕まえた瞬間が気持ちいい。
◆おすすめトラック:Loud Places
Jamie xx - Loud Places (ft Romy)
◆個人的なストーリー
2010年代を振り返って、幾度となく感動をもたらしてくれたロンドン3人組The xx。今もなお、「現代最重要バンドの1つ」と言って過言ではないでしょう。そのバンドでトラックメイクやリズム、サンプラーなどバンドの軸を担当するのがJamie xxことJames Thomas Smith。
The xxのファーストアルバムの時点でも彼の作曲センスは火を見るよりも明らかでした。そんな彼が満を持してリリースしたのがソロとしてのファースト・アルバム"In Colour"。
バンドの方のThe xxはモノクロで、ミニマルで、ジル・サンダーのようなスタイリッシュさをまとった淡々とした作品群が印象的でしたが、ソロアルバムでは良い意味でその彼(ら)らしさを覆しています。
無骨なリズムに色鮮やかなアンビエントサウンド。
そしてタイトルに色(Colour)という名が含まれる通り、そこには色鮮やかなダンスミュージックが広がっていました。それもただのダンスミュージックではありません。めっっっちゃくちゃセンスのいいバンドのものっっっっすごいキープレイヤーによる珠玉のダンスミュージックです。
また、数ある彼のインタビューの中でも個人的にとても共感する、好きな発言があります。
曲を好きになるのは「〜で〜だから」という思考プロセスじゃないんだ。
ただ単に「好き!」なんだ。 Jamie xx Talks New xx Album by Creaters
曲を好きになるのは抗えない直感によるもの。だからこそ、「なぜ好きになったのか」を逆に自分に問いかけることによって「どのような趣向・傾向があるのか」そして「それの傾向を打ち破るにはどうすればよいのか」を明らかにすることができるはず。実はこれが、このサイトの裏テーマでもあります。
先般ご紹介したFour Tetとは互いに楽曲をリミックスしあう仲でして。なので是非、合わせて下記もチェックしてみてください。
SeeSaw - Club Version, a song by Jamie xx, Four Tet, Romy on Spotify
Lion - Jamie XX Remix, a song by Four Tet, Jamie xx on Spotify