わたしの人生を変えるスゴ曲を、きっとあなたは聴いている

取り上げた作品を聴きながら読んで頂くと、きっと臨場感出ます。

侘しさの極限を編み込んだ天下一の宅録サウンド「John Frusciante - "the brown bunny MOTION PICTURE SOUNDTRACK"」

https://www.instagram.com/p/CBX-CJonGHX/

  • アーティスト:John Frusciante
  • 作品名:the brown bunny MOTION PICTURE SOUNDTRACK
  • 発表時期と作品形式:2003年、コンピレーションアルバム(映画サントラ)

こんにちは、Minimal Orderです。当サイトではトラックメイカーとしての私が衝撃を受けた傑作たちをご紹介しています。本日は第2回!

 正確には、記載のJohn Frusciante(ジョン)の曲は後半5曲で、前半5曲はヴィンセント・ギャロが映画のためにキュレーションした楽曲たち。今回は、映画ブラウンバニーのためにジョンが書き下ろした5曲を対象にご紹介します。(前半5曲のチョイスも本当に素晴らしいです)

◆鳥肌ポイント

  1. 4トラック(≒ボーカルを含む4楽器)程度で簡素に構成されているため、音同士がきれいにハマった時の美しさが際立つ。そんな瞬間の連続に溢れている
  2. 難しいコードなんか弾かず、単音のフレーズの組み合わせに趣向を凝らすだけで恍惚として聴き入ってしまう音世界を作っている
  3. 瞬間瞬間に感情を圧縮して込めていると感じる。だからこそ物憂げで儚げな歌声やハミングにも関わらず、絶頂期のアーティストの生ライブを最前列で聴いているほどの迫力がある。(あるいはアーティストの宅録[自宅録音]を目の前で観ているような)

◆おすすめトラック:Forever Away


John Frusciante - Forever Away

◆個人的なストーリー

日頃からギターサウンドに慣れて親しんでいる方にはもはや説明の必要はありませんが、そうでない方に少し背景からご説明しておきましょう。

John Fruscianteジョン・フルシアンテ)といえば、様々な音楽メディアで現代の3大ギタリストの一人と称されるほどの人物。何年か前からギターに興味を失い(!?)シンセサイザーを多様したプロジェクトTrickfinger名義で活動*1*2していますが、今年になって古巣のRed Hot Chili Peppersへの復帰が発表されたことは記憶に新しいところ。

特にユニークだなぁと感じるのは

  • 陽(力強さ、天真爛漫さ)だけでなく、陰(儚さ、侘しさ)を発露する力に非常に長けているところ
  • 「早く沢山弾くかっこよさ」ではなく 「なるべく弾かないかっこよさ」「肝心なところだけ秘孔を付くように弾く鬼気迫る音さばき」

あたりです。これ、いわゆる「イケてるギタリスト」に対する先入観とは逆なんですよ。逆張りなんです。そんなところもみんなが彼を評価し、愛してやまないポイントなのかもしれませんね。

私は、Red Hot Chili Pepper(以降レッチリ)の作品を片っ端から聴いていた時期にレッチリジョンの作品だからという理由でこのソロ作品を手に取りました(正確には映画サントラですが)。結果、ドハマリ。宅録のようなノイズの乗った音の質感や制約(重ねられる楽器は4つまで等)の中で、ここまで美しく完成された表現ができるのかとひれ伏しました。私自身、この「宅録感」に感銘を受けて作った曲もあります。

世の中の皆さんの評価に目を向けても、やはりこの作品がとても愛されていることがわかります。

  • 「涙腺に隣接した涙のような旋律」「間違いなく本体価格の30倍くらいの価値がある」 by 書斎王・アメンホテプ4世
  • 「このアルバムは、恋愛において傷を負ったことのあるすべての人にお勧めです。このアルバムを聞けばそのつらさが、少なくともこのアルバムが再生されている数十分間、癒えるから。」 by shushu
  • 「ここにあるジョン曲は、ジョンソロの中でも神レベルです。」 by 燃える朝焼け
  • ジョン・フルシアンテの的確に心を打つメロディーにも脱帽です。」by HMV

 

レッチリの」という冠をふっ飛ばして、すっかりジョンのソロ作品の沼にはめられてしまった入り口の作品です。この他にも、「Shadows Collide With People」、「Curtains」、「To Record Only Water for Ten Days」など素晴らしいソロ作品が目白押しなので、そちらも合わせておすすめしておきます。 

◆購入 

◆試聴

同作品はストリーミング配信されていないので、関連作品を挙げておきます。

◆参考

www.johnfrusciante.com

key-chnoblog.hatenablog.com